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菩提寺記

明日の話

生前戒名と供養之証の話

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2020年、新型コロナの影響で世界中が対応に追われる年となりました。お寺も例外ではありません。菩提寺は本堂もなく、宗派にも属していない自由な立場で活動しているので、深刻な影響は出ていません。法事や葬儀は極限られた人からの依頼はあります。お寺を構えて、檀家や門徒を回らなければいけないというお寺は大変だと思います。お布施に頼る生活であれば、コロナ禍に潰れるお寺も出てくるでしょう。

毎日法要を欠かさず行っていますが、寺院センターの活動の一環で供養之証を菩提寺名義で発行しています。これまでは法事や葬儀の時に法要を行った証としてお渡ししていたものです。新型コロナの影響もあり、法事やお葬式を思うようにできない人も多いことから、当寺で読経・回向を行ない、寺院センターより供養之証を発送してもらいます。匿名配送といって、名前や住所をお互いに知らなくても発送できます。お寺や宗教的な組織に個人情報を知らせるのに抵抗がある人もいるでしょうから、便利な世の中になったと思います。供養之証は1枚950円です。

そんな活動をしていると、様々な声が聴こえてくるのですが、戒名に関することが多いなと感じました。新型コロナの影響で介護していた家族を亡くし、身近な家族だけでお葬式を出した人が、お葬式の時には自分でお寺を探すという余裕すらなかったようなのですが、落ち着いてから、自分やその家族の戒名をどうしようかと考えていた時に、供養之証を知ったそうです。供養之証では有料オプションとして戒名考案(5000円)というものがあり、それが目にとまったのでしょう。

当寺でお葬式を担当させてもらった場合、戒名の費用はいただいていませんが、戒名だけどうにかしてほしいという要望もこれまでにもありました。お師匠さんのお寺では何十万円、何百万円の戒名に見合うお布施を取り決めていました。それもお寺を維持するためだったのです。しかし、いくらお寺を維持するためだからと言って、そんな大金は一般的な金銭感覚ではないと感じていました。しかし、戒名や法名を決めるのに漢字を調べて、その人に合う字を選ぶという作業は何時間もかかります。供養之証の設定金額が妥当かどうかは分かりませんが、依頼する人が納得しやすい金額ではないかなと思います。ちなみに、生前戒名の案内ページのリンクです

戒名は亡くなってからの名前だと思っている人が多いですが、これはお坊さんが戒名の大切さを伝えるのをサボってきたからだけではありません。明治以前、日本人は一生のうちに何度も名前を変えることがありました。幼い時の名前、成人した時の名前、職業に就いた時の名前、引退した時の名前など。しかし、明治維新以後、何度も名前が変わるのは不便だし、取り締まりが難しいということで、名前を変えることはほとんどなくなりました。

一人の人がずっと同じ名前でいることが当たり前になったから、戒名は亡くなってからの名前だし、生前戒名にも違和感があるというのが現状です。しかし、成人したり、引退したり、人生の転機に名前を変えることで、その状況を受け入れやすく、社会からもそのように認められるという仕組みだったと思います。落語家や歌舞伎役者の社会にはそれがまだ残っていますね。

出世魚というのもあります。稚魚から成魚までの成長段階において異なる名称を持つ魚です。ブリの場合、関東地方ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリ、関西地方ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリ。というように変わります。状況に応じて適した名前で呼ばれるわけです。一つの個体であっても、名前が変わり、名前が変わると見られ方も変わる。

戒名を生きている間につけてもらう機会はこれから増えてくるのではないかなと考えます。私は一般家庭の生まれですが、中学2年でお寺に出入りするようになり、19歳の時にお坊さんの名前、戒名をお師匠さんからもらいました。そのお寺の檀家さんや信者さんと接する時には、戒名で呼ばれるわけです。とても新鮮でしたし、本名で呼ばれることがなくなり、別人になった気分で生きていました。

人生の転機は誰にでも訪れます。本名とは別の名前を持つことで、新たな一歩を踏み出すのも良いかもしれません。

※ この内容は歴史上の事実を現わすものでも、特定の学説や宗派を優位・劣位にするものでもありません。

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