菩提寺記

カモシカとの社会的距離

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校区内でカモシカが目撃されたということで、注意を促す一斉メールが送られてきた。ニホンカモシカは大人しそうなイメージだし、クマの目撃なら一大事となるけれど、あまり一斉メールが送られてきたからといって不安視しなかった。

今日、偶然見たネットニュースによると、誤って罠にかかっていたニホンカモシカを助けようとしたところ、ツノで脚を刺され死亡した人がいたという。何とも不運な災難に会い、ご冥福を祈るしかなく、この後の法要内でご供養させていただきたい。

すると、やはり危険であり、注意しなければならない相手なのだろう。
だからといって悪者にしてはいけない。

子育て中の動物の親は、子どもを守るための行動を取るし、実りの時期にも実りが少ない時期にも恵みを探し行動範囲を広げる。

人間が助けてあげようと思う気持ちは、野生動物には分からないということを今回、改めて感じた。野生動物にとっては罠にかかったというだけで、パニックであり、生きるために危険を回避しなくてはいけない。

人間の子どもだって、知らない人に急に触られたり、連れていかれようとしたら、大声を出して助けを呼んだり、暴れなければいけないのだから、野生動物も同じだ。

これは良い動物、あれは悪い動物と人は分ける。

動物はそんなこと知ったことではない。

同じ地域に共存する生き物だけれど、人間社会とカモシカ社会、クマ社会、それぞれの社会がある。そういった意味の社会的距離が必要なのだと思う。

人間は欲張りだ。こっちからあっちまで日本中にある土地は誰かのものになっていて、そこには人間様しか入れない。いくつもの社会で土地を共存していることは忘れ去られたのだろうか。役所に届ければ自分の土地になるのだろうか。

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